昨年末、NOHGA HOTEL KIYOMIZU KYOTOのエントランスに展示したクリスマスツリーは、京都市中区を中心とした北山地域で育てられた"北山杉"を使用。
約600年前から生産されてきたという北山杉は、昭和41年に「京都府の木」として選定され、いまでは京都の伝統工芸のひとつに挙げられる。
北山町は水が豊富で、夏でも涼風が吹き、秋から冬にかけては時雨が降る環境ということもあり、杉を育てるには非常に適した地域だったが、木材を流して運べる広い川がなく、木を運ぶには困難を極める場所。
人力でも運べるように、と細く育てたのがはじまりとされている。
そして、斜面が多い町の環境のなか生まれたのが、この地域独特の育林方法である「台杉仕立て」。
中川八幡宮の樹齢500年を超える神木「白杉」から、挿し木で増やした白杉の子孫たち数10本〜100本の幹を株となる杉に育林するという方法。
苗床から完成まで、約30年。
長きにわたり丹精込めて育林される北山杉は、
一般の木材と異なる美しい光沢感の木肌が特徴的で、
和風建築において床の間の床柱をはじめ、"魅せる"木材として重用されてきた。
クリスマスツリーには一般的にモミの木を使用するが、
北山杉を使ったツリーは、130年以上に渡り北山町で林業を営む『中源』が発案したもの。
まっすぐ伸びた凛とした佇まいと、独特のさわやかな香り。
長い歳月と、様々なひとの手をかけて育まれた北山杉は、
まるでそびえ立つような荘厳な様で、とても神秘的だ。
北山杉は、いままでもそしてこれからの未来にも生き続けてゆく。
京都の伝統工芸である北山杉を古くから製造・販売する『中源』のご協力のもと、 実際に北山杉の魅力に触れられるEXPERIENCE=体験を企画しています。
そちらもぜひお楽しみに。