郡司味噌漬物店:先代の経験が生んだ「天然醸造」の味噌へのこだわり

--お店の看板の横に「古代の味を現代に」と 書いてあったのですが。

いま一般的に販売されているお味噌には、 恒常的に温度を上げ下げして熟成を促進させる「速醸味噌」というものが多いのですが、うちで扱っているのは日本の四季の寒暖差で熟成させる「天然醸造」のもので、食べていただくとよくわかるのですが味が全然違います。 一番人気のお味噌は、玄米完熟味噌です。麹にコシヒカリの玄米を使い、じっ くりと熟成させるので、本当にまろやか。ずっしりとしたコクがあって、どんな具材にもよく合います。生で食べても美味しいですよ。大体の方がリピートしてくれますし、もう長く使い続けていただいている方も多いです。

--お店の歴史はどのように始まったのでしょうか。

会長である先代の郡司春雄がいま98歳なのですが、戦時中に兵隊にでまして、戦後のソ連に抑留されていたんです。かなり苦労されて、食べものも全然なく、すごくひもじかった。そうすると休憩時間には仲間と食べものの話になって、いろんな場所から兵隊さんが来ていますから、うちの田舎にはこういうものがあって、これがとても美味しいと、お国自慢が始まって、最後には生きて帰れたら味噌汁飲みたいなと言って、みんな亡くなっていったそうです。その強烈な思いがあって、生きて帰ることができたら味噌屋をやろうという決心をして、本当に命からがら帰ってきて1957年に開業をしました。当時はサツマイモを裏ごしして混ぜてあるような、すごく粗悪な味噌が出回っていたのですが、本物のお味噌にこだわって、当時の人たちからは懐かしい味だと喜ばれたようです。

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--漬物も種類が豊富ですね。こちらも先代が始めたのでしょうか。

そうです。いまみたいに物流が発達していないので、味噌の美味しいところは漬物も美味しいということで、名産を集めるようなかたちからスタートしています。なので表に「味の飛脚」という看板があるんですよ。先代は「飛脚」という言葉を使ったのは佐川急便よりうちが先だって言っていました。

--夏川さんはなぜこちらのお店に?

僕は元々教員になろうとしていたのですが、大学生の頃のアルバイト先で二代目である社長に誘ってもらいました。教員になろうと思っていたこともあって、いまは子どもたちに味噌の素晴らしさを伝えていきたいという気持ちがあります。もしかしたら、味噌汁って自然に出てくるものだから、慣れ親しんでいるものかもしれないけど、ちょっとずつ若い人たちが離れていってしまうかもしれない。でも味噌は発酵食品の最たるものだと思うので、先代の思いもありますので、そういった火を消さないようにしたいと思っています。また味噌のつくり手の方々も先代からのおつきあいのところではご高齢になって、跡継ぎもなく、歴史が潰えてしまっていることもあるので、僕らが売って伝えていくことでこの文化が続いていくようにしていきたいです。

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Gunji Miso Tsukemono 郡司味噌漬物店

現会長である郡司春雄さんが1957年に創業。日本の四季の寒暖差で熟成させる「天然醸造」の味噌にこだわり、一番人気の玄米完熟味噌は、麹にコシヒカリの玄米を使い、じっくりと熟成させた、まろやかで、ずっしりとしたコクがある味わい。味噌だけでなく漬物も豊富で、こちらの定番は皮付きのべったら漬け。甘すぎず、皮付きの食感が人気。
www.gunjimiso.com

〒111-0054 東京都台東区鳥越1丁目14−2
ノーガホテル上野から徒歩17分、自転車で7分
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Tags : food, Gunji Miso