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Collaboration

SyuRo:日本の伝統や職人の技術、そして福祉。使い続けることのできる日常のデザインプロダクト

2018.04.30

--この場所にお店を出されたいきさつを教えてください。

私はこの街に生まれて、父が職人だったんです。父のものづくりを見て育ったこともあり、デザイナーになったのですが、いろいろと他社との仕事をしているうちに、もっとエンドユーザーに近い存在のものをやりたいなと思うようになっていきました。また元々父の仕事をいずれは継ぎたいと思っていたのですが、父が亡くなり、自分の家の技術がなく なってしまうという状況になり、そういったものを残せるようなことをできないかという気持ちもあったんです。そこから職人さんの手仕事や、廃れていってしまうもの、福祉でつくられるものなど、違うジャンルのものを、 新しいジャンルの人に伝えるためのオリジナルの商品づくりを始めました。それらを見ていただくショールームをつくりたいということで、お店もはじめることになりました。

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--オリジナルの商品はどのように生まれているのでしょうか。

私はこの地元で育っているので、友だちのお父さんやお母さんがものづくりをしていたことがすごく多くて、そこで話をしていたよう に、こういうものをつくるにはどうすれば良いか、ということを全国で聞いてまわっている感じなんです。つくりたいものについて熱意を持って話していくと、どんな職人さんであってもわかってくださることが多いです。 「こうしたほうがいいんじゃないか」「こうす るには僕のところじゃだめだから違う人を紹介してあげるよ」といったいろいろな連携があって、ものづくりができています。自分で考えたものをつくってもらい、それをお客さ んに勧めて、買ってもらい、喜んで帰っても らう。その過程をやらせてもらうことがすご く幸せだなと感じます。

--この地域の好きなところはどんなところで しょうか。

上野や浅草も近いので、とにかくアートと文化が栄えているんです。音楽、芸術、落語、 朝顔市やお祭りも。古いものと新しいものが共存しているのが魅力的で、ミックスされていても違和感がない。それぞれの価値観がよ く表れているようで、そこが私はすごく好きです。SyuRoには海外から来てくれる方も多く、お店や街のことを発信してくれるんです。すると街への認知も上がるし、それをきっかけに日本の人も魅力を再発見できている部分もあると思います。
それと私たちのまわりでは、谷中、蔵前、鳥越、馬喰町あたりまで、みんな仲が良いんです。そこから広がって、実際に来てみたら面白くて、高い家賃を払わなくても魅力的な建物もあるし、ということですごく人が集まってきています。自分たちなりの価値観を持って働いたり、生活したりすることがしやすいのかもしれません。それが今度は元々住んでいる人たちとも繋がってきているんです。そういった動きから、ただ人が集まればいいということではなく、文化的な人が地域に増えていくといいなと考えています。

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Profile

プロフィール
SyuRo
シュロ
日本の伝統や職人の技術、また福祉作業所でつくられるものなどをオリジナルブランドとして自社で企画開発を行い、生活で使い続けることのできる日常のデザインプロダクトとして国内外へ伝えている。デザイナーであり、オーナーである宇南山加子さんは、台東区の生まれで、台東デザイナーズビレッジにも入居していた。2008年台東区鳥越に実店舗「SyuRo」をオープン。
www.syuro.info
〒111-0054 東京都台東区鳥越1丁目16−5
ノーガホテル上野から徒歩17分、自転車で7分
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