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VISION GLASS JP:価値観の多様性を学ぶシンプルなグラス

--VISION GLASS JPのショールームの場所としてこの地域を選んだのはなぜですか。

(VISION GLASS JP 國府田典明さん)2010年、妻で一緒にVISION GLASSの業務に携わっている小沢が「モコメシ」としてフードデザイナーの活動を本格的に始めた頃に浅草橋に引っ越しました。自転車で移動できる圏内に卸し問屋が多く、アメ横も近く仕入れがしやすくて、仕事上活動しやすい場所だった、というのが最初のきっかけです。
ほぼ同時期にスピークイーストやモノマチといったものづくり関連のイベントが蔵前で始まって、新しいお店も少しずつできて、それが今の蔵前エリアの盛り上がりに繋がっていると思います。

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--台東区、この地域に対する印象について教えてください。

僕は足立区出身なので上野は比較的馴染みのある場所です。こんなに狭い区の中でも北の浅草、南の浅草橋でだいぶ景色が違っていろんな顔がある。雑然としたところもある上野と、池之端や谷中など端のエリアでもまたちょっと文化が違ったりしますよね。僕は浅草橋周辺のちょっとした下町感が好きなんですけど、誰にでも「このエリアが好き」というのがたくさん隠れてる多様な場所だと思います。ノーガホテルが建っている場所も、パチンコメーカーがたくさんある特徴のある場所で、その中に建つのが面白いなと。
イメージとして一番強いのは、祭で地域が繋がっているということ。自分が住んでいる場所ではんてんを着て神輿を担ぐっていう体験はここに来るまであまりしたことがありませんでした。何がみんなをそうさせるのか考えていたんですけど...自分が生活している場所で商売をしているからですかね。住んでいる場所と仕事している場所が違うとそういう意識になりづらいけど、一緒だと地域と繋がっている意識がより強くなると思うので、結果的にお祭りとかもよく関わるようになるんじゃないでしょうか。住むことで人との関わり方とか、ほんのちょっとしたことが変わる気がします。

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--VISION GLASSはインドのボロシル社が30年以上販売してきた製品で、國府田さんと小沢さんはインド旅行中に偶然お店で出会ったことがきっかけで日本への輸入・卸業務を始められました。一番の魅力はなんだったのでしょうか。

何よりとてもシンプルであること。最初は自宅で使っていたのですが、使ってくほど馴染み方、違和感のなさがすごくて。飲み物のグラスとして使っていたけれど、他にも植物やポプリを入れたりモノを収納したり、応用が効きますよね。これほど主張せずきれいに裏方になってくれる日用品は他で手に入らないと思いました。自分たちが長く使っていきたいものを手に入れたいというシンプルな理由で、自分たちで輸入代理・卸業務を始めたんです。

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これは僕の印象ですけど、VISION GLASSのシンプルさはただ型抜機から出しただけのスプーンとか、ただ真っ平らなお皿が並ぶインドだからこそできるものなのかなと思いました。日本だとあれこれ細かいところまで工夫しがちですが、そういうのをあっさり通り越して目的に向かってまっすぐなところに逆に学ぶことがあると思いました。

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--「ノープロブレム品」も、日本とインドの価値観の違いの溝を埋めるため試みとしての取り組みですね。

メーカーのボロシル社が問題ないと判断して日本に出荷した商品でも、検品した結果どうしても日本の市場に出せない商品があります。その中でも使用上問題のないものをノープロブレム品と呼び、通常商品と同価格で販売し、お客さん自身に判断していただいて買っていただく、というのがこの取り組みです。
初めてインドで買い物をした時、食器屋さんで店員に「もっときれいなものはないか」と聞いたらその場で商品を拭いて「ノープロブレム」と言って手渡されたことがあって、それがこの呼び方につながりました。まあ、そういうことなんですよね。何でもかんでも相手のいう通りじゃなくて、コミュニケーションの仕方次第でお互いのちょうどいい落とし所を探っていく。これも一つ学ぶところがあって面白いと思いました。

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--価値観の違いを認めたうえですり合わせてく、ちょっとしたことで関わり方や見え方が変わってくると。

同時に「自分たちがお金を払っているのは用途に対してなのか、目の前にある消費行動のためなのか」というのを結構考えさせられるなと思ったんですね。どのポイントに対して満足するんだろう?と。今まで自分たち自身気づかなかった、意識してこなかったことを、私たちの活動を通してノープロブレム品を手に取るお客さんにも考えるきっかけになってもらえたらと思っています。

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Profile

プロフィール
VISION GLASS JP
ヴィジョングラスジェーピー
インドの理化学ガラスメーカーBOROSIL社が製造する、円柱型の耐熱グラス。VISION GLASS JP(國府田典明さんと小沢朋子さんによって2013年設立)は日本の輸入販売元としてブランディング、卸、販売を手がける。蔵前の倉庫兼事務所は検品や出荷作業に使われる他、週1日だけ直営店としても営業する。
www.visionglass.jp
東京都台東区三筋2-14-1 小市ビル2F
ノーガホテル上野から徒歩11分、自転車で4分
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