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結わえる:縁ある蔵前から現代人に自然な健康食を提案する

2019.01.23

--「日本の伝統的生活文化と現代を結わえる」というモットーからきている「結わえる」さんの食にまつわる活動について教えてください。

(「結わえる」代表 荻野芳隆さん)日本人が古来から実践してきた「一汁二(三)菜」を「基本食」として、寿司、焼肉、ラーメン、スーツのようないわゆる「快楽食」も交えて「メリハリ寝かせ玄米生活」を提唱しています。「寝かせ玄米」とは私たちが独自に開発した玄米をモチモチに美味しく炊き上げる技術で、この寝かせ玄米ごはんパックの製造や玄米に合うカレーなどの開発商品の販売、「結わえる」「いろは」をはじめとした店舗展開、ネット通販、ワークショップなどの活動を行っています。

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--そのような活動を始めることになった経緯はなんでしょうか。

「結わえる」を立ち上げるまでは会社員として、日本の伝統産業や農業など全国で衰退の可能性がある事柄をコンサルティングの力を通して現代に合う形で復興していく、といった仕事をしていました。代々続く一流の品質を持った味噌や醤油の蔵元の方々とお取引をしていく中で、そのような食品を食事療法に取り入れる人たちとも出会うようになりました。生活習慣病や皮膚アレルギーに悩んでいた方々が、それらを通してみるみる快復していく様子を目の当たりにし感動したのが、今の活動につながる大きなきっかけです。
食事療法はかなりストイックなもので「ダメ、我慢」だらけ。推奨されている玄米菜食も硬くて美味しくない。現代の食の状況は確かにひどい状況で、正すために必要な方法ではあるのですが「それが果たして全員にとって正しいのだろうか」と疑問を持つようになりました。そこでコンサルの仕事と並行して食事療法について勉強を始めた結果生まれたのが「寝かせ玄米」というわけです。

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--最初の活動拠点を蔵前に選ばれた理由はなんでしょうか。

当時勤めていた会社はオフィス街にあり、日本の未来を担う大勢の優秀な人たちが日夜働いているにも関わらず、健康な食事に関する知識が不足しコンビニ弁当で乗り越えてるような状態。だから最初は企業向けに宅配をしつつ食に関する研修を行うビジネスを展開しようと考えたんですね。そこで会社のモットーにふさわしい場所はないかと探した結果見つかったのが蔵前です。
2009年当時の蔵前はさびれたシャッターだらけの問屋街で、誰も店を開こうと思わないような寂しい場所でした。でも下町は今後文化的なことを求めていくようになるだろう、そしてすでに秋葉原、日本橋、浅草など名所に囲まれていたので今後盛り上がっていく予感がありました。
調べてみると蔵前は名前の通り、江戸時代に米蔵があった場所なんですね。これは玄米食を提唱する私たちとしてもとても良いストーリーになるなと。きっと何かのご縁だと思いこの場所で創業しました。

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--それは確かに縁を感じざるを得ないお話ですね。

現在も仲良くさせていただいているSyuroの宇南山さんh conceptの名児耶さんとは当時から交流がありました。そしたらカキモリさんがいらして、どんどん人が増えて...偶然ですが、現在の店舗の場所に移転したタイミングと、隣にNui Hostel Bar&Loungeがオープンしたのがちょうど1ヶ月違いなんです。今やうちでご飯を食べてNuiでコーヒーかお酒を飲む、という流れでご利用いただくお客様も多いです。ご縁って面白いですよね。

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--創業当時から現在まで、荻野さんの予感どおり蔵前は賑わいを見せる場所に変化しました。

蔵前の外からいらっしゃる方は確実に増えましたね。「結わえる」でランチを食べてから近くでコーヒーを飲んだり、文房具を見てから私たちのところに来たり。私たちのお店が目的というよりは、通過点としていらっしゃる方が多いです。外国人観光客の方は、日本人が日常で食べる食事を求めて私たちのお店にいらっしゃいます。

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--この地域の特徴だと思うことはなんですか。

いわゆるサラリーマン、スーツを着てる人がほとんどいないですよね。ヒゲを生やした人も多いかもしれません。「何かっぽい、何系」と分類されるよりは独自の道を行っている自由な人が多いというか。
蔵前の店舗の上には80代半ばの大家さんが住んでいるのですが、毎日階段で上り下りをして毎日浅草に飲みに行って帰ってきます。心身とも健康、ストレスや我慢を抱えず自分がやりたいことをやっていて楽しそうにしているんです。東京中を見回しても、独自の生業を展開している人たちが良いバランスで集まっているという状況もなかなか珍しい。しかもみんな仲良くしていて、かといって馴れ合いすぎたり結束しすぎる感じもなくとても自然です。
無理のない範囲で健康に美味しく、という「結わえる」のコンセプトとこのエリアの気風、人の暮らし方というのは相通じるものがあると感じています。人間の本来あるべき姿といいますか、暮らしを大事にしている人が多い場所に「結わえる」本店があるというのはとても意味のあることだと思います。

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Profile

プロフィール
Yuwaeru
結わえる
「日本の伝統的生活文化と現代を結わえる」をモットーに、世の中の食生活を変えるための活動を展開。提唱する「メリハリ寝かせ玄米生活」のすべてを体感できる場として、2009年に蔵前にて昼は玄米定食、夜は季節料理の呑み屋「結わえる」をオープン。併設の物販コーナーでは選りすぐりの「国産無添加で旨いもの」を取揃える。寝かせ玄米炊き方教室や、味噌、梅干し、漬物、書道教室など様々なワークショップも定期的に開催する。その他、渋谷ヒカリエや日本橋高島屋など6店舗「いろは」を展開。
「結わえる本店」ウェブサイト:www.yuwaeru.co.jp/honten
東京都台東区蔵前2-14-14
ノーガホテル上野から徒歩24分、自転車で9分
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